本棚に入れたままだった日記

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 彼女には人生を自分で選べるように――――    ――――私たちのいる塔に王妃殿下や側妃たちがやってきた。そしてロザリアを連れて行ってしまった。あの子に何かあったら生きている意味などない。早く返して――――    ――――2日経って戻ってきたロザリアはすっかり怯えてしまっていた……王妃殿下や側妃たちに何をされたの…………でもまだ言えるような年齢じゃないから伝えられるわけないのよね。私ではなくロザリアに手を出すなんて、私はどうすれば。お兄様助けて――――      ここからページは破かれていて亡くなる寸前に飛んでいる。    ――――もう生きる事など諦めていたのに……なぜ今になって祖国からの密偵がやってくるの――――  ――――リンデンバーグとボルアネアが戦になった。私を見つけたお兄様が交渉してくれたのに、あの男……国王は散々交渉を長引かせた。戦の機会を窺っていたんだわ……強欲な男。私は渡すけどロザリアは置いて行けと言い始めるし、最初から私の事も政治の駒として使おうとしていたのね。そんな国にロザリアを残していったらどんな目に合わされるか分からない。きっとボルアネアとの交渉に使われるだけだわ。体のいい人質よ…………悔しい――――  
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