本棚に入れたままだった日記

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 こんな状態なら、他国からすぐに攻められてしまうわ。ボルアネアが制圧したから、他国が勝手に手を出せないのもあって辛うじて存続出来ているだけなのに……彼らは自分達が置かれている立場を全く理解していないんだわ。  私を攫ってどうするつもりなのかしら…………またお母様の時のように閉じ込めて、テオ様やボルアネアとの交渉に使うつもりだとしても、もうそんな事をしたところで国を再建出来るとは思えない。  そんな事を理解出来る精神状態でもないのかもしれない――  鬱々と考え事をしていると、玉座の間に着いた。  兵が両開きの大きな扉を開くと、そこには玉座に座ったお父様と王妃殿下や側妃たち、兄弟姉妹たちがズラリと並んでいたのだった。    
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