玉座の間

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 「お前は覚えてはいまい。まだ2歳だったからな……生意気だったから調教してやろうとしただけなのに我らを悪者扱いしてくる。お前を抱きしめ、泣きながら懇願してきた……お前に手を出すなと――――そこまで言われれば仕方ない、私も鬼ではないからな。代わりに母親の方を調教してやったのよ……お前が関わるとロザリアは碌な事にならない、お前の存在がロザリアを不幸にしている、お前の娘で可哀想だと散々教えてやった。そのうちお前と関わらなくなっただろう?母親の深い愛だ、誇りに思うがよい。ふふっ」  「そのうち、お前も母親も我らの顔を見ても反応しなくなっていったから、全くつまらなくなったな……ふふふっ」    王妃殿下と側妃の話に皆がクスクス笑い、その声が玉座の間に響き渡る――――    「なんて下劣な…………」    お母様を笑わないで――――    「……その辺にしておけ。もういない者の話をしても意味はない」  お父様が皆を鎮めるように言葉をかけた。意味はない?お父様にとってはそれだけの存在だとしても私にとっては…………悔しさで握りしめていた手から血が滲んでいた。
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