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お母様はリンデンバーグに嫌な思いしかないのかもしれない、でも私は、気のいい人々が住んでいる事も知っている。この国を王族から解放して、皆で治められる国を作れたらいいのに――――
「……奥様!」
「誰だ?!」
突然扉が開いたと思うと、レナルドが地下牢に入って来たので、驚いた牢番は大きな声を出した。でも地下へ向かう階段にいた兵たちはやって来ない……シーンとしているわ。
「レナルド!どうしてここが分かったの?」
「奥様の動きは常に注視していましたので、ここに入った事も知っています。地下階段の兵たちには気絶してもらっています」
「……………………あんた、この姫さんの仲間か?」
「……ああ、そうだ」
牢番は腕を組んで何か考えていた。そして意を決したように自身が持っていた鍵を使って私の牢屋の扉を開け、私を中から引っ張り出した。
「このお姫さんを連れて行きな。大事な人なんだろ?」
「…………まぁ大事と言えば大事ですけど……あなたはいいんですか?」
「人を捕まえる仕事なんて、碌なもんじゃないしな。適当な事を言って、この城を出るよ」
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