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地下階段から出ると玉座の間から歩いてきた王城内に出るのだけど、城は閑散としている。あの牢番もそうだったけど雇われ者ばかりで、正直この城はもう城としての機能を果たしていない。
私がここに捕まったままだとテオ様の足を引っ張ってしまうから、ひとまずこの城を出なくては。
何よりテオ様の元へ帰りたい。
こんな危ない事をしようとして、怒るかしら…………怒られたとしても会いたい――――
「……奥様、こちらです」
レナルドは脱出の経路を確保してくれていたのか、私を導いてくれた。城の裏側に回ると、裏は鬱蒼とした森が広がっている。
今はもう日も落ちていて夜だし、正直どこに何があるかがはっきりと分からず、森の中に国境の関所もあるのだけど、夜の森では何が起こるか分からない。それに正面から行ったら捕まるんじゃ……
「大丈夫です、城の裏側から地下通路で国境を越えられる秘密の通路があります。大昔に造られた非常用のものですが、ここの王族はすっかり忘れているようですので、我々が使っても誰にも見つからずに国境を越えられるでしょう」
「…………レナルドは何故知っているの?」
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