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私は立ち上がり、走り出そうとした――ドレスに足が絡んで上手く立ち上がれない。足に疲れが溜まって思うように動けない…………それでも必死にもがきながら、ここから動こうと走りだした。
テオ様――――お母様――――私を助けて――――――――
そう祈った時「ロザリア!」という声が聞こえた。
この声は
私を呼ぶ大好きな声
ふり返ると、テオ様が私を追いかけて走っていた――――
「テオ様……っ!!」
なぜここにいるとかそんな事はどうでも良くて、ただひたすら名前を呼びながらテオ様に向かって走って行った――――
飛びついた私をテオ様は抱き上げ、大好きなお顔が間近に見える――
「テオ様っ…………テオ…………さ……ま…………会いたかっ……た…………っ」
私は声にならない声を絞り出して、泣きながらテオ様の首にしがみつき、頬擦りしながらテオ様の名前を呼び続けていた。
「ロザリー………………無事で良かった…………ここで会えるとは思わなかったよ。レナルドが突然走って来て、君がこの通路にいると聞いて、飛んで来た…………」
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