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テオ様は私の額や頬にキスをしながら経緯を話してくれる。私はまた嬉しくなって、涙が溢れて止まらなかった。
「テオ様が贈ってくださったドレスも……こんな状態でごめんなさい…………ううっ……最後に絶対ベルンシュタットに帰りたくて…………テオ様に会いたくて………………来てくれて嬉しい――」
「ロザリー……ドレスなんて気にするな……君が生きていれば何だっていいんだ…………」
泣き続ける私に優しいキスをしてくれて、私の涙は一気に止まってしまう。今度は顔が赤くなり、違う意味で涙目になっていた。
「…………そろそろいいですか?旦那様に奥様……」
レナルドが後ろから声をかけてきて、初めて皆の存在に気付く。兵達も…………こんなに恥ずかしい事があるかしら…………ますます顔に熱が集まってくる――
「……レナルド、もう少し空気を読んでくれてもいいんだぞ」
「十分読みましたけど。ベルンシュタット軍が前方からも進軍しているんですよね?早く後方からも到着しないと、あちらさんにバレてしまいますよ」
ベルンシュタット軍が?
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