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「ロザリー、君に話している時間があまりないんだ。このままベルンシュタットへ戻っていてくれ。私は……」
「私も一緒に行きます!」
「しかし…………」
「テオ様と離れたくない…………それに私の家族の問題でもあるから、最後まで見届けたいの……邪魔にならないようにするから。ダメ、ですか?」
私は覚悟を決めた顔をした。戦だから戦えない者がいれば邪魔になるのは分かっている……でも自分の家族と決着をつけなくては、私は前に進めない。
「…………分かった。でもその代わり、私の後ろにいる事。絶対に前に出ないでくれ……」
「分かりました」
「…………ふっ……ロザリーが私に我が儘を通そうとする時が来るなんてね」
テオ様に言われて気付いた、確かに私がここまで食い下がるのは初めてかもしれない……自分の変化に驚いてしまう。
「……可愛いよ。ここがこんな通路である事が残念だ」
「テ、テ、テオ様……………………先を急ぎましょう……」
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