開門

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 「……では、行こう」  「はい」「はっ」  私も兵たちも皆、声を潜めながら返事をした。  さっきレナルドと下りて来た階段を音を立てずに上っていく……ここはもう城内なので、どこに兵がいるか分からない。慎重に動かなければ…………しかし上った先には兵はおらず、皆壁伝いにそっと移動した。途中、上に上がれる階段もあり、そこで兵も分かれる。  するとレナルドが深くフードを被り、私を連れ去った者たちと同じ恰好をしているのをいい事に「私が城門まで行って開けてもらいますよ」と言い始めた。流石にそれは危険なのでは…………と思ったのだけど、一人だけ兵士ではない恰好をしていたので、テオ様は乗り気だった。    「ふーん…………行けそうだな……」  「でしょ?怪しまれないように見た目はそのままにしていたんで。では、行ってきます」  「え、ちょっと、レナルド…………」    そう言って素早い身のこなしでリンデンバーグ兵の中に紛れていく――――――――  「大丈夫だ、あいつは軽い事ばかり言うが、やる事はプロだ。必ず遂行するだろう」  「そう……だといいのですけど…………」
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