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「すみません、私は姫さんを連れて来た者なんですが、次の仕事に行きたくて……城内の兵の方に城門の近くにある小さな扉から出ていいと言われて来たのですけど、開けてもらってもいいですか?」
すると右の門番が反応し、応えてくれた。
「……小さな扉?ああ、あそこだな。ちょっと待っていてくれ」
「ありがとうございます~~」
レナルドはそう言って手をひらひら振っていた。右の門番が立っていた方には開門のレバーがある……これを上にあげれば門が開く仕組みかな?持ち場を離れるなんて普通はしないものだけど、統率の取れていない兵だという事がすぐに分かる。
「これって門のレバーってヤツです?」
「ん?ああ、そうだ。ちょっと古い仕組みだが、上にやるだけだから簡単なんだ。この城門が閉じていれば何者も入っては来られない」
「閉まっていれば…………じゃあ、開いたら入って来られますよね」
レナルドはニッコリ笑ってレバーに手をかける――
「ちょっ……待て……や、やめるんだ………………」
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