落城 ~テオドールSide~

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 咄嗟に叫ぶと、ロザリーは私の声に気付き、振り向いて私に向かって走って来た――――  そして私に飛びつき、泣きながら私の名前を呼んでいる…………私は愛しい妻の温もりと匂いを感じ、心底安心したのだった。  良かった…………ドレスがボロボロで何かされたのかと思ったのだが、ロザリーに大きな怪我などはなさそうだな――    彼女はなかなか泣き止まずにずっと私に頬ずりしている…………あまりに愛おしくてキスをすると、一気に涙は引いたようだ。そんなところも可愛すぎるな。  私はロザリーをベルンシュタットへ帰し、リンデンバーグを滅ぼす為に城内へ侵入するつもりだとロザリーに告げた。  しかし彼女は自分も行くと引かなかった。いつもなら私に遠慮したり、引く事の多いロザリーが、絶対に行くと言ってきかない…………覚悟を決めたその顔が可愛すぎて、冷静な判断が出来そうもなかった。  私が何に代えてもロザリーを守る――――  彼女を抱き上げて、リンデンバーグ城を目指し、地下通路を走った。  ~・~・~・~
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