落城 ~テオドールSide~

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 レナルドが城門を開けに行き、無事に前方からベルンシュタット兵が押し寄せ、城内を制圧していく…………ようやくロザリーやベラトリクス様がリンデンバーグから解放される時が来たのだな。  私とロザリーがホールに着くと、我がベルンシュタット兵に取り囲まれている王族達の姿が見えた。  「閣下!王族達は皆こちらに……」  「…………ご苦労だった」  この者たちがロザリーの家族………………似ても似つかないくらい醜悪な顔をしている。我らが憎くて仕方ないのだろう。だが――――それはこちらも同じだ。  「そなた達の身柄は、これからボルアネアに運ばれる。そして我が国の法によって裁かれるのだ。陛下が正しい裁きを下してくださるだろう……ベラトリクス様を襲い、連れ去った事、ロザリア共々幽閉した事、我が妻を連れ去った事、その身を以って報いを受けるがいい」  「…………私は国王だ……他国の法の裁きなど受けぬ」  「寝言は寝てから言うんだな、リンデンバーグ王よ。貴国は我が国に落ちたのだ。滅ぼされた国の法など適用されるわけがない」
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