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ここまで浅はかだと笑えてくるレベルだな……そうやって法を勝手に解釈をし、ベラトリクス様とロザリーの人生をこの男が奪ったのだと思うと怒りがこみ上げてくる。
「閣下!私を側妃にしてくださいませ!私ならロザリアよりもあなた様の望みを叶えてあげられますっ」
「これ!お止めなさいっ」
王妃が必死に止めているが、第一王女は私の脚に縋り付くのを止める気配はない……ロザリーが不安そうに見ている。私はロザリーの手を握り、大丈夫だと頷くと少し頬を赤らめた。こんな状況だと言うのに妻が可愛すぎるな――
「あーー王女よ、あなたが私の望みを叶えられるというのは、本当か?」
「はい!もちろんです!私ならあなた様の為なら何でも……」
「何でも…………か。では私の望みを言おう。……あなたの首を差し出せ」
「え?」
「出来るだろう?私の為なら”何でも”出来るのだから…………出来ぬのか?まさか私に嘘を申したと?」
あえて無理難題を吹っ掛けてみる。まぁこの王女にそのような気概はない……案の定怯えて後退りし始めた。思った通りの口先だけの人間だったな……
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