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「…………大丈夫かい?」
「はい。やっと本当の意味でお別れが出来ました。テオ様もありがとうございます、あんな風に言ってくださって……」
「あれは私がずっと言いたかった事だからいいんだ……出しゃばり過ぎてしまったかなと思ったんだけど」
気まずそうに苦笑いするテオ様が可愛らしくて、思わず顔を抱きしめた。
「そんな事はありません…………私ではあそこまで言う事は出来ませんでしたし…………それに――」
「うん?」
「…………私がこれからもずっと旦那様を幸せにしますね!私にしか出来ないと仰ってくださったから……私、頑張ります!」
テオ様は目を丸くしている……でも望みを叶えられるのは私だけなので、頑張らなければ。私が拳を握りしめて意気込んでいると、テオ様が噴き出すように笑った――
「……………………ははっ頑張らなくてもいいんだけど、それは楽しみだ。じゃあ帰ろうか…………私たちの城へ」
「はい!あ、でもその前に…………少し寄りたい場所があって…………」
「?」
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