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私は北の塔の近くにある、墓石のところに来ていた。お母様は王族であって王族の扱いを受けていなかった事もあり、ずっと幽閉されていた北の塔のすぐ近くに埋葬されていた。
そこには先にレナルドが立っていて、お母様に挨拶をしていたようだった。
「レナルド?お母様に挨拶に来てくれていたの?」
「奥様……はい、お先にさせてもらっていました。私にとってもベラトリクス様は特別なお方なのです」
「レナルドにとっても?」
「…………はい。私はベラトリクス様に命を救って頂いたのです。あのお方のおかげで今の私がいる……」
命を救って…………まさか………………
「奥様の考えている通りです。当時見習いの王宮騎士だった私は、ベラトリクス様の遠乗りの護衛に入っていました。そこで何者かに襲われ……他の騎士たちは皆殺されましたが、ベラトリクス様は何とか私を逃がそうとして捕まり、そのまま…………私は何とか王宮までたどり着き、陛下に状況を説明して………………ベラトリクス様の捜索にもずっと携わっていました。あのお方が見付かって、リンデンバーグに潜入した事もあります。でもその時にはもう……」
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