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「ベラトリクス様は動けないほど弱っていたのだな」
「はい。何としても陛下の元へお連れしたかった……ここまで来るのに長い時間がかかりましたが、ようやく……」
「………………レナルド、ありがとう。きっとお母様も喜んでいるわ」
私がそう言うと、レナルドの目から次から次へと涙が溢れてくる。ハンカチを持ち合わせていないのでドレスの布を少しちぎって渡してあげた。レナルドはそれで顔を拭き、鼻をかんでいる。
「奥様……奥様にお仕え出来たのもきっと、ベラトリクス様が導いてくださったのだと思います。旦那様だけじゃ心許ないので、私も庭師としてお側にお仕えしますね」
「なっ……それを許可した覚えはないぞ!」
「陛下が許可を出してくださいました。国王陛下公認という事で、よろしくお願いします」
レナルドはテオ様にニッコリ笑っている。これは認めざるを得ない状況だわ……陛下も凄いし、レナルドも凄い…………
「…………ふふっレナルドがいてくれたら庭の手入れが、また楽しみになるわね。これからもよろしくね」
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