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「姫様~~~~あ、ロザリア様~~~ずっとずっとお供させていただきます!」
「エリーナさんの声はどこにいても聞こえてきますね」
今朝もせっせと庭仕事をしていたレナルドが、エリーナの大きな泣き声に苦笑している。私はベルンシュタットでの平和な光景に幸せを噛み締めていた。
~・~・~・~
そして更に数日が経ち、陛下へ謁見する為に私とテオ様は王宮を訪れた。日中の王宮の庭園は鳥たちがさえずり、楽園のように美しかった。
ここでお母様は生まれ育ったのよね…………舞踏会で来た時は美しく煌びやかな場所としか思っていなかったけど、ここで生きていたお母様の事を考えて胸がいっぱいになる。
私は今日、家族として陛下とお会いするので、私とテオ様が通された場所は謁見の間ではなく応接間だった。
――――コンコン――――
「入りなさい」
舞踏会でご挨拶した時の声が中から聞こえてきた。テオ様は私の背中に手を添え、私の顔を見て頷く…………意を決して頷くと、テオ様が扉を開いてくれた。
「……失礼致します」
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