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リンデンバーグ国は国として機能していないとは言え、このままでは無法地帯になってしまうので、ベルンシュタットで管理するという形はどうかと提案された。私は自分が生まれ育った国でもあるし、あそこで生活している民が少なからずいる事を知っているから、そうさせてもらいたいとお願いした。
領地の経営学などを学んで、住みやすい土地にしたい…………そんな思いが私の中で湧いてきていたのだった。
そして私はお母様の日記を陛下に渡そうか迷っていた……その話をすると、やはり陛下は迷っておられて――
隣に座っておられる王妃殿下が私が預かりましょう、と言ってくれた。陛下のお心次第ですぐに読めるようにと…………素敵なご夫婦に私は目を細める。
お母様がいなくなってから、王妃殿下はずっと陛下をお支えしてきたのだろうなと思うと胸が温かくなった。
私の事を国に広めるか、という話になり私はお断りしたのだけど……お母様の事を案じていた民にどうしても伝えたいと陛下が仰るので、それならばと了承した。
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