178人が本棚に入れています
本棚に追加
リーゼロッテの穏やかな寝息に耳をすまし就寝を確認したミシェルは、慣れた手付きでリーゼロッテの机や棚を漁った。
「…手紙……なんだ、アイヴィーからか…」
見つけた手紙がリーゼロッテの仲の良い友人からの手紙でミシェルは安心するも、念のため内容にも目を通しておいた方がいいだろうとアイヴィーからの手紙を読む。
「ふぅん…ユリウス皇太子の話ばかりだな」
帝国の第二皇子であるユリウス皇太子についてミシェルはよく知っていた。何故なら…。
「あ。…なにこれ?」
いつも定期的にリーゼロッテの身辺は確認しているが、見慣れないものがある。
「刺繍したハンカチ?」
それはなんて事のない鳥の刺繍で、ミシェルが今までリーゼロッテの持ち物の中で見た事のないハンカチだった。
(リゼが刺したんだ…またどこぞの男と手紙のやり取りを始めたのか?)
しかしミシェルが確認する限り、そんな手紙は見当たらない。前に男と文通していたことが発覚した時は、リーゼロッテの手に渡る前にその男からの手紙を抜いて破棄するようすぐに対処したから、二人は疎遠になったけれど。
顔を顰めながら何か手掛かりはないかとハンカチの周りに目を向けると、リーゼロッテの手書きのメッセージカードを見つけた。
『ミシェル、いつもありがとう』
カードに書かれてあるメッセージを見て、ミシェルは目を開く。
「え……僕のために…?」
それを理解した瞬間、ミシェルは幸せな気持ちでいっぱいだった。
「嬉しい…!」
リーゼロッテへの愛が溢れて止まらない。ミシェルは微笑みながらそのハンカチとカードを元の場所へ戻す。
一通り確認し終えたミシェルは次に、ベッドで眠るリーゼロッテの元へと向かった。躊躇いもなく無遠慮にベッドの中へ入ったミシェル。そして寝ているリーゼロッテを包むように抱き締めた。
「…ふふ。僕があげた茶葉をちゃんと毎日使っているんだね。偉いよ」
(リゼ、あったかくていい匂いがする…)
リーゼロッテを抱きしめながら彼女の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。そして慣れた手付きでリーゼロッテの寝間着に手をかけるミシェル。
「心配しなくても大丈夫だからね。姉さんはそのままで、無理に変わらなくてもいいんだよ」
リーゼロッテの胸元のリボンを解いた。
「僕はそのままの姉さんを愛しているんだから」
次にボタンへと指をかけて、一つひとつ丁寧に外していく。
「今日の泣いて僕に縋る姉さん…可愛かったなぁ…」
最後のボタンを外したミシェルは、恍惚とした表情で天を仰ぎ、日中のリーゼロッテを思い出す様子を見せた。
「姉さんを守るために、僕は全てを把握しておかなくちゃいけないんだ」
リーゼロッテの友人たちから彼女の話を誘導して聞き出し、夜な夜なリーゼロッテの身辺を定期的に確認しては自分の知らない部分がないかを確認する毎日。
それなのに、油断していると美人なリーゼロッテには今日のような汚らわしい害虫が寄ってくるのだ。
ミシェルはリーゼロッテのことを知り尽くしていると思っていたが…自分の考えの甘さに反省する。リーゼロッテだけではなく、これからは彼女の周りにも目を向けなければ。
「僕もまだまだだったよ…」
それでこそ、リーゼロッテを完璧に把握し監視し管理し、それでいて守れるというものだ。
ミシェルの手によってリーゼロッテの白くて美しい肌が露わになった。
「………リゼ……綺麗だ…」
リーゼロッテの生まれたままの姿を見下ろし、ミシェルは高揚した。欲望が刺激されて、自分のモノが熱く膨らんでいくのを感じる。
「リゼの全てを知りたいんだ…」
ミシェル自身の寝間着を脱いで裸になると、吸いつくようなリーゼロッテの温かな肌と自分の肌を重ねた。こうして肌を重ねると、ミシェルはとても満たされる気持ちになり安心する。今だけは、リーゼロッテが自分のものだと錯覚出来るからなのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!