ポケットの指先に~彼岸の友を想いながら~

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そんなときにね、ネットの友だちがこんな短歌を送ってくれたの。 「また いずれ 彼岸で語ろうあの友と それまで 貯める 此岸(しがん)の毎日」 私、目が覚める思いがした。 いくら悲しんでも、悔やんでも、今は彼岸にいる貴女とお話しすることはできないけれど、いずれ彼岸に行ってから語り合えばいいのね。 その日まで、此岸の日々を大切に積み重ねて行きましょうよと、そっと教えてくれたのね。 私ね、 あなたと話したいことは、ポケットにしまっておくことにするわ。 そして雲の上であなたと出会えた時に、まず一番に あのとき、連絡を途絶えさせてしまったことを謝るわ。 それから貯めていたおしゃべりをいっぱい楽しめればいい。 あの人ともこの人とも、話したいことや 語り合いたい 思い出を、 みんなポケットに詰め込んでおくわ。 なつかしい人達と、いつか彼岸で語り合える日まで、 それまでの此岸の毎日を大切に生きていきますね。
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