1021人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
「あれは浪費癖があり、王子のためにならぬと議会で判断したのだ。
ユリア嬢は、本人も問題であったが。
父親が権力欲が強くて困っていた。
いろいろ王家の方針にも口を出してきて厄介だったのだ。
みなで話し合った結果、王子の嫁も嫁の実家も、無害なのが一番、という結論に達したのだ」
あー、確かに我が家は無害だということに関しては、国一番かもしれませんね~、とマレーヌは思う。
「マレーヌ殿は――」
マレーヌの結婚話であるのに、アルベルトの視線はそこで初めてマレーヌを向いた。
「王立学校での成績もまあ良く。
見てくれも正妃として恥ずかしくないくらい、まあ良く。
性格は温厚。
どこでも問題を起こしたことがない。
なにもかも程々なので、ちょうど良いと議会で決まったのだ」
この娘はなにもかも程々で良い、と議会で話し合われていたのか。
それもどうだかな……とマレーヌは思っていたが、やり手のアルベルトは、ぐいぐいこの結婚話を進めようとする。
最初のコメントを投稿しよう!