家も本人も無害そうという理由で、王子妃候補になりました

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「あれは浪費癖があり、王子のためにならぬと議会で判断したのだ。  ユリア嬢は、本人も問題であったが。  父親が権力欲が強くて困っていた。  いろいろ王家の方針にも口を出してきて厄介だったのだ。  みなで話し合った結果、王子の嫁も嫁の実家も、無害なのが一番、という結論に達したのだ」  あー、確かに我が家は無害だということに関しては、国一番かもしれませんね~、とマレーヌは思う。 「マレーヌ殿は――」  マレーヌの結婚話であるのに、アルベルトの視線はそこで初めてマレーヌを向いた。 「王立学校での成績もまあ良く。  見てくれも正妃として恥ずかしくないくらい、まあ良く。  性格は温厚。  どこでも問題を起こしたことがない。  なにもかも程々なので、ちょうど良いと議会で決まったのだ」  この娘はなにもかも程々で良い、と議会で話し合われていたのか。  それもどうだかな……とマレーヌは思っていたが、やり手のアルベルトは、ぐいぐいこの結婚話を進めようとする。
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