白い墓標に弔いを

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 「こうしようぜっ! 雪だるまの鳩を作って手紙を運ばせるんだっ!」  「伝書鳩にするのか。それならシャルベットの隅々まで先生の事を宣伝出来る。考えたじゃんハント」  「そうするなら、一人十羽以上の鳩を作る必要がある。作るなら出来るだけ小型の鳩がいいな。空中で溶けてしまったらどうすればいいんだ?」  ハントたちはそれぞれ、鳩の雪だるまの製作に取り掛かる。三名と少数精鋭だが、ぼくから見れば立派なチームに見える。ハントがリーダーとなり、エリサがそれを補佐、クレバスはリーダーにアイディアを提案する頭脳の役割を持っているどころか、小さい時は独り言のように呟いていたが今ではきちんと自分の意見を言えるようになっている。出逢った頃の三人とは見違えるよ。  「任せろっ! 二十羽でも三十羽でも作ってやるよ!」  「でも無理は禁物だからね! 疲れたら体力ある人が手伝えばいいのよ」  「各自が国のどの方向に鳩を飛ばすかも決めよう。出来るだけ広範囲に飛ばすなら、そのほうが効率的だ」  「作ったら出来たてほやほやで飛ばそうぜ。鳩が斉うのを待ってたら日がぐれてしまう!」  ハントたちは雪だるまの鳩を作った順に勢いよく空へ放った。なんて事だ、雪だるまが仕事場から離れ国中の色んなところに羽ばたいていく光景をこの目で見る日がくるなんて、夢にも思わなかったよ。
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