異世界に飛ばされた俺のポケットは百円ショップとつながっている

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 銃弾が放たれたような破砕音が小屋の中に響く。  パァン! パァン! パァン!  カラフルな紙吹雪や紙テープが飛び散り、硝煙の匂いが立ち込めた。  百円ショップの定番商品、『パーティークラッカー』。エルフは耳が敏感だから、この音にひどく驚くはず。 「ヒイイッ! 俺の心臓が、俺の心臓がァァァ!」  ハッタリが通用したのか、恐怖で気を失う者もいた。だが、何人かは耳を折りたたんで音を遮断した。 「いや動揺するな、俺たちは耐えしのいだはずだ! なぜなら奴はそれ以上撃ってこない!」  ばれたか。4個入りなのでこれで弾切れだ。本当はもっと用意したかったが、一度使ったアイテムは取り出せなかった。しばらく使えなくなるという制約があるようだ。  だが、次の手も思いついていた。 「灼熱の業火よ、太陽から受け継いだ七つの光を放ちつつ黒き愚者どもらの魂を殲滅せよ!」  そこで取り出した『着火ライター』と『花火』。火を灯すと、激しい勢いで炎が噴き出した。 「おらおらおらぁ! 魂を昇天させられたくなければ、とっととここから立ち去れェェェ!」  ――どこか行ってください! お願いしますから!  無我夢中で花火をダークエルフに向かって振り回す。(※よいこはまねしないこと!) 「あちっ、あちちちっ! なんだ、この見たことのない光彩の魔法は!」 「エルフの奴ら、こんなに強大な力を持つ輩を味方につけたというのか!?」 「くそう、異世界の魔法など相手にできるはずがない! 危険だ、退けェェェ!」  ダークエルフたちは未知の魔法との遭遇に恐れおののき、魔法円の中に飛び込んで姿をくらました。どうやら尻尾を巻いて逃げたようだ。 「はぁ、はぁ……やった!」  水の入ったバケツに花火を捨てると、じゅっ、と音がして光が消えた。けれど心臓の高鳴りは止まらない。
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