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ファーストキスの答えあわせ
目を覚ますと、亜里沙の姿はもうそこにはなかった。
「……夢じゃないよね?」
ひとり疑問を呟いて、寝ていたソファーから身体を起こす。掛けられていたブランケットがバサッと床に落ちた。友達との二人飲みで散らかしたはずの部屋は、綺麗に片付けられている。
――亜里沙がやってくれたんだ……。
――いや、もしかして、今日の飲み会自体が夢だったんじゃ?
二つの可能性の狭間に惑う。
と、ローテーブルの上にメモが置かれているのを見つけた。何だろう? 手に取って内容を確認する。
『今日は帰るよ。また明日、来てもいいかな? さっきのことを謝りたいから。 亜里沙』
さっきのこと。
自分の顔がサーッと熱を持った。
「つまり、アレは夢じゃなかった……。いやあぁぁぁ!!」
深夜なのに絶叫してしまう私こと竹田佳奈、二十三歳。
同性の親友とキスしてしまいました。
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