ねこネコクインテット [シュール]

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ねこネコクインテット [シュール]

猫が増えていた。 矢之助が率いるネコクインテットは地球の平和を守る猫による猫のための組織だった。 五匹の猫で構成されるためこの名がついた。 それが六匹に増えている。 増えたのは誰だ? 矢之助、ニャタロウ、ツナカン、つくね、ちょぴい、イワシ…。 一匹多い。 「あたいたちの中に偽のメンバーがいるってわけよ」 ちょぴいが言った。 だが誰が増えたのか不思議と解らなかった。 矢之助は閃いた。 隠し玉の「またたび袋」を放り投げた。 ポトリと落ちた袋を全員が見つめた。 次の瞬間、猫どもは一斉に袋に飛びついた。 我を忘れて酔いしれる。 「偽物はおまえにゃ!」 矢之助が叫んで一匹の猫に飛びついた。 矢之助の下敷きになっていたのは…。 ツナカンだった。 ツナカン…? はて誰だっけ? 全員の洗脳が解けた瞬間だった。 「お前は誰にゃ? またたびに反応しないとは猫でもにゃいな?」 「ふはは~バレたからには仕方ない」 ツナカンであったそれはロケット型に姿を変えると瞬く間に飛び去った。 「危にゃいところだった…」 こうして今日も地球の平和は守られたのであった。
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