394人が本棚に入れています
本棚に追加
私はもう一度、鏡の前に立つ。
綺麗なドレスに、美しく結ってある髪。
私は鏡に向かって、笑顔を向ける。
「行ってきます」
パーティ会場には、もう沢山の人々が集まっている。
私は、会場の隅で私を待っているグレン殿下の元へ歩いて行く。
グレン殿下は私に気づき、そっと手を差し出した。
「エイリル、とても綺麗だ」
私はグレン殿下の手に自分の手を重ねる。
そして、そっと握った。
「グレン殿下、私、今幸せですわ」
私がそう述べると、グレン殿下は私の手を握る手に力を込める。
「もう離さない。愛しているよ、エイリル」
「さぁ、行こう?」
私たちは、明るく照らされたパーティ会場へ一歩を踏み出した。
最初のコメントを投稿しよう!