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夜には昼間にたくさん作っておいた小さな雪灯籠に短いろうそくを灯し、おじちゃんのスマホでビデオ通話しながらパパとママにも見せた。二人とも「陽翔が作ったの? すごいね!」と大喜び。日々身体を動かすせいか、お腹は心地よく空くようになり、ごはんをモリモリ食べ、夜も九時には眠たくなって朝までグッスリ眠った。
そうして迎えた大晦日。
午前中に雪かきのお手伝いをして、お昼はみんなでラーメンを食べに行った。おじちゃん行きつけの隠れた名店で、市街地から少し離れた山の方にある。
帰り道、窓の外ではまた雪が降り始めている。これは積もるんだろうな、と思っていたら、ハンドルを握っていたおじちゃんが「ありゃりゃりゃ~?」と妙な声を上げて、車を道路の端に寄せた。
様子を窺うと、前方に青い車が止まっていて、男の人が一人で車の後ろを押しているのが見える。
「ちょっと行って来っから。待ってでけろ」
そう言うや否や、おじちゃんとキンちゃんは車を降りて行き、男の人に声を掛けている。知っている人だったのかな?
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