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「急じゃないよ。今朝確認しただろ? 陽翔にはおばあちゃんの家に行ってもらいます、って」
パパまで詐欺師みたいなことを言ってくる。確かにそう言って、僕も行くとは言ったけど……。一人でなんて言われてないし! これは完全に後出しジャンケンみたいなものだ。
「陽翔は一人っ子でしょう? コロナ禍が明けて、パパもママも今年の年末年始は仕事で大忙しなのよ。日中あなたが一人になっちゃうし、なかなか構ってあげられそうにない。だから、おばあちゃんちで皆とワイワイ過ごしていたほうが楽しくていいんじゃないかな、と思ってさ。カンちゃんたちもいるしね」
それはまぁ……そうだろうけど。これがよその家だったらもちろん嫌だけど、大好きなおばあちゃんの家ということもあり、僕の心は揺れ動いた。それに、東京の家にいるとママの目が光っていて、思う存分ゲームをするのは難しい。その点、おばあちゃんの家ならやりたい放題だ。夏ならまだしも、あんなに雪があるんだから、まさか外で遊べとは言わないだろう。
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