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「うん……まぁ、いいよ。お仕事ならしょうがないし……」
なーんて、ちょっと渋々感を演出してみたりする僕。もちろん、頭の中はゲームを攻略することでいっぱいだ。まさに子の心、親知らず。ママはホッとした顔でパパと「良かった!」と頷き合った。
「陽翔ならそう言ってくれると思ったよ! ああ、ちなみにゲームはパパが東京へ持って帰ります。それからこれ、冬休みの宿題一式。一月の五日にまた迎えに来るからね」
はぁ!?
「やだ!! 宿題の息抜きに絶対必要だよ!! カンちゃんもそうだよね!?」
対抗するには同志が必要だ。100%同意してくれるはず、と傍らを振り返ると、カンちゃんはポリッピー・チョコを食べながら、何とも気まずそうに苦笑した。
「……うん、確かにそうなんだけど……。僕、ゲームのし過ぎで、お父さんから一週間禁止の刑をくらってるところなの。だから、ゲームできないんだ」
ええーっ! カンちゃんまで!?
「もうっ! 何やってんの? タイミング悪すぎだよ!」
率直な怒りをぶつける僕に、すかさずママが怖い顔をする。
「陽翔だってゲームのし過ぎでしょ! そのせいで姿勢は悪いし、運動不足だし、生活リズムも狂ってる。ママはそういうところも直してほしいの」
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