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僕がゲーム好きなのは今に始まったことじゃないのに……。なんで急にいろいろ言い出すんだよ! こういうの……そうだ、理不尽って言うんだ!
声高らかに訴えると、それまで黙っていたおばあちゃんが口を開いた。
「陽翔君、ゲームしっちゃいのは分かるんだげんとぉ。せっかくばあちゃん家さ来てけだんだべした? ばあちゃんは陽翔君の話、いっぱい聞ぎだいなぁ~。学校の事どか、東京の事どか。次も必ず会えるどは限らねべぇ? ばあちゃんも年だがら、いづあの世さ行ってしまうがも分がらねしよ?」
「えっ……」
心臓がギュッってなった。今、おばあちゃん……いつ死ぬかも分からないって言った?
「お、おばあちゃん、どこか病気なの?」
「ううん、そだな事ないげど?」
ガクー!!
「だげんと、ばあちゃんだげでなくて、誰でもんだべした? いづ死ぬかは誰にも分がらねのよ。んだがら、今こうして皆で一緒に居られる事を大事にしねどねぇ」
「くっ……」
大好きなおばあちゃんにここまで言われては反論できない。
こうして僕は新作のゲームを泣く泣く諦め、一月五日までの十日間をおばあちゃんの家で過ごすことになった。
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