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翌朝。
居候の身となった僕は、聞いたことのない音で目を覚ました。カーテンの隙間から覗く窓の外はまだ薄暗い。そんな中、グゥーン、グゥーンとか、ゴォーッという低くて大きい音がする。他にも遠くの方から、シャンシャンシャン、と鈴を鳴らすような音。もし本当にサンタクロースがいるとしたら、きっとこんな音をさせながらやってくる感じだ。……まぁ、サンタなんているわけないんだけど。
暗闇の中でむっくり起き上がった僕は、さわっとした寒さに身震いしながら窓の外を窺った。
「うわっ!」
外は信じられないくらい雪が積もっていた。今もチキンナゲットくらい大きな雪がモサモサとすごい勢いで降っている。
「カンちゃん! ねぇ、起きてよ! 信じられないくらい雪が積もっているんだけど! それになんかグゥーンとかゴォーッとか、シャンシャンって大きな音が……」
熟睡しているところを揺り起こされたカンちゃんは、窓の外を確認することはせず、ボーッとしたまま例の低い音と偽サンタの鈴の音を聞くや否や、再び布団を被った。
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