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お姉ちゃんにこうしてお願いされてしまうとなんとも断れなくなってしまう。それに、ローン返済を考えると折半してくれる人は必要で、今から私がその相手を探すとなるとなかなか大変だし、どこかで募集をかけて結局知らない人を招き入れるのであれば木嶋さんでも同じことだ。
「……分かった、とりあえず3か月はそれでやってみる」
本当は不安でたまらない。でもお姉ちゃんの幸せのため、そう自分に言い聞かせることにした。不安な気持ちを吹き飛ばすように半ばやけになってプリンを口に運ぶと、甘さ控えめのとても美味しいプリンで、ちょっとだけ気分が上がったのがなんとも複雑だった。
でも、私はこのときの軽い決断を心から後悔することになる。生活をともにする相手の素性はちゃんと確かめるべきだったんだ。
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