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新古典主義
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初恋は、まるで誕生日ケーキのろうそくの炎みたいだった。
あまいケーキを引き立てるために、ふっと一息で消されてしまう小さな灯り。でも、たしかに主役として存在する一瞬があって、その刹那だけは眩いきらめきが暗やみを照らしていた。
私が中学受験によって入学した、私立の名門お金持ち学院。
そこは幼稚園からのエスカレーター式で大学まで進めるのだが、幼稚園に入れるのは神様から叡智を授かった天才児、あるいは神様から縁故を恵まれた由緒正しき名家の寵児のどちらかだ。
残念ながら私は選ばれし子供ではなかったが私立の学院に問題なく通える程度に余裕のある家庭、かつとても勤勉だったので、上流階級に途中から参加することができた。
内部進学組と編入組に明確な隔たりはなく、区分する目印もない。
むしろ平均的に学力が優秀だったり運動部での活躍が顕著だったりする編入組は、公立学校で培ってきた快活さとタフさを武器に学院内でうまく解け合っている。
と、入学当初は思い込んでいた。でもそれは、最上位の方々にお会いしていなかったからだ。真作に出会って初めて、自分が贋作であったとはじめて気づく。
それは、忘れもしない。
美的センスが皆無のくせにいびつな完璧主義の私が、納得のいく自画像を描けずひとりで居残りをしていた中1の放課後。
肖像画が並ぶ美術室は不気味なので、すこしでも恐怖を軽減させるために引き扉を全開にしておいたのだ。おかげでドアの隙間から、廊下を通り過ぎようとした男子生徒と偶然に目が合った。
「っ、」
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