ロマン主義

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 うちの高校にはカフェテリアが併設されており、休み時間や放課後に本格的なコーヒーや焼き菓子が楽しめる。学食の亜種というか、まあ、その都度お金がかかるので私はあまり利用する気が起きないが。 「なに飲む?」  当たり前に超裕福な花菱くんは、さりげなくご馳走までしてくれるらしい。やったー。「いいの?」と遠慮がちアピールをしながら、洒落たメニュー表に目を通す。 「じゃあ、うーん、ココアにする」 「ホイップクリームは?」 「あ!!!!多めで!!!!」 「梅田さんって、甘いもの好きなんだ?」 「ふつうに好きだけど、クリームに関しては多めのほうがお得なかんじするからだよ」  私が首をすくめて答えると、花菱くんは「考えたことなかったな」と呟いた。そうでしょうね。下品だもん。 「お得だと、梅田さんはうれしくなる?」 「うれしくなるね。私自身のコスパがいいから、お得なかんじがするだけでうれしくなる」 「じゃあ、僕もお得が好きだな。梅田さんがうれしいと、僕もうれしいから」  はあ。これが本音なら恐ろしいので、むしろリップサービスであってほしい。
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