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美羽の力
無事に北野さんは捕まり、無事この事件は幕を閉じた。
「なあ金馬、あいつ本当に子供か?本当は年隠してねえよな?」
霧島が金馬に言う。あいつとは美羽の事だろう。
「俺もたまに疑いたくなるよ。だがなかなか俺にも心を開いてくれないからなー。俺もどうすればいいかわからん。」
「なあ、あいつ多分犯人始めからわかってたんだと思うよ。」
「は?」
「分かってたっていうか初めから凶器が制服のリボンで、犯人が三年生の奴だと睨んでたんだと思う。じゃないと、あいつにあんな、、、自分の推理を証明するために証拠を探すような捜査はできない。」
「いや霧島!冗談だろw」
と言ったが霧島は珍しく真面目な顔で俺をみている。
「ただもんじゃないよ。あいつ。」と言い、続けて
「将来が楽しみだな」と言った。___
「美羽、お前にちょっと話がある。」
家に帰って金馬が言った。
「お前一体何者だ?子供だと思えない。なんかお前俺に隠してんだろ?」
と言った。美羽は金馬の目を見る事なく立っている。
「まあ言いたくないなら言わなくていいよ。」
「私は、、、羽里さん達の本当の娘ではではありません。」
「えっ?」
「私は本当の親は知りません。でも羽里さん達が夜に私のことについて話していました。私の本当の親について話しているようでした。私は本当の娘でないと知っておきながら知らないふりをし続けました。」
「本当の親の手がかりとかは?」
美羽は首を横に振った。
「私は昔から瞬時に何かを記憶したり、科学について説明したり、することができました。他にも絶対音感とか、耳が良すぎるとかちょっと変わったことができていました。それが私の変わった力でした、、、人間の変わった能力を一つだけとかではなくだいたい全部持っているって話が良すごると思うんですよ。だから、私はみんなと違うのかもしれない。でもこの力を使って私は自分の親を知りたい。私のことをここまで育ててくれた羽里さん達を殺した犯人を突き止めたい。私のような傷つく人を少しでも減らしたい。だから私は事件を真相に導けるような人になりたいんです。」
少しの間沈黙が続いた。しかしその後金馬が言った。
「そうか。話してくれてありがとうな。今日のことは俺らだけの秘密だ。誰にも言わないから安心しな。あと、血は繋がってなくても俺はお前の家族だ。」
と言って、、、
「さあ!飯だ飯だ!美羽お前何食いたい?好きなもの言え!」
少し戸惑って美羽が
「オムライス、、、」
「よし分かった!待っとけ!今作ってやっからな!」
と言ってキッチンに金馬が駆け込んでいく。美羽は羽里夫婦と過ごした日々の暖かさに似たものを感じた。どこかくすぐったくて暖かくて心地よい気持ち。
「私、刑事になりたい、、、」
金馬に聞こえないよう美羽は小さな声でつぶやいた。そこで美羽は机の上に置かれている資料に気づいた。そこには「羽里夫婦殺人事件について」と書かれていた。
「いつか絶対に犯人を突き止める、、、」
完
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