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新たな事件の幕開けです
金馬が休みの土曜日お昼のことー
「美羽、流石にそれは無理だ。」
「金馬さん、私に借りがありますからね。それぐらいしてくれてもいいでしょ。」
そう今、金馬は美羽からとんでもないことを言われているのだ。
「未解決事件資料室に絶対ありますよね?パッと取って、パパッと返せばバレないじゃないですか。」
そう美羽が言っているのは羽里夫婦殺人事件についての詳しい資料を見せて欲しいということだ。おまけに美羽が解決した貝塚早由殺人事件を金馬の手柄ということに表場なっているため、金馬も痛いところをつかれている。
(なるほど、これも美羽の計算の内だったらしいな。)
「いや、まずまず部外者に見せるものでもないし、、、」
「部外者じゃありませんけど!事件の第一発見者、被害者の娘、警察である金馬さんにも借りがありますからこれでバランスも取れてるじゃないですか!」
「いや、流石にダメだ。」
そこで金馬の携帯がなった。相手は霧島だ。金馬は助かったと思いながら電話に出た。
『金馬、新たに事件が起きた。悪いんだが今すぐ栗山公園に来て欲しい。待ってるから急げよ!』
と言われて一方的に電話を切られた。
「栗山公園ですか、、、」
美羽が電話の内容を聞いていたらしく、興味深いというように少し考えるようにいった。
「ああ、俺は行ってくるな。」
と言い、身支度をさっさと済ませ玄関に行った。しかしそこには美羽がもう準備万端というように首からいつもの茶色と白のショルダーバッグを下げて待っている。
「金馬さん、遅いですよ。」
「いやお前が早いんだろ!ていうか、お前どこいくんだ?」
「当たり前です。栗山公園に行くんです。」
美羽に何をいってるんだというように言われ金馬は少々呆れそうになった。
(全くこの小学生は何者なんだ、、、)
「車に乗れ、、、だが邪魔したらタダじゃおかないからな。」
「それはこちらのセリフじゃないですか?」
美羽がすごく小さな声で言ったその言葉を金馬は聞き逃さなかった。___
今回の事件は淀屋橋公園で高校生の遺体が発見されたというもので被害者は菜季島 あかりさん、高校2年生、茶髪の髪の短い華奢な感じの女の子だった。首元にマフラーなどの柔らかい布状のもので首を絞められた形跡があり、他殺と見られた。首を絞められた以外の痕跡や傷は見られなかった。彼女はベンチに横たわるようにして亡くなっており、近くには街灯、滑り台、ブランコなどの遊具があるだけだ。と霧島が事件について説明して、、、
「犯人に繋がりそうな証拠は特になかったが、、、死亡推定時刻が午後9時45分前後だそうだ帰りが遅いと菜季島さんのご両親が警察に通報し、見つかったが、、、」
「彼女は首を絞められて亡くなっていたと、、、」
そう言ったのは金馬ではなく美羽だった。まるで刑事のように事件現場を調べている。
「金馬!お前流石にこいつ連れてきたらまずいだろ!子供が見るようなものじゃねえぞ!」
「俺が連れてきたんじゃなくて勝手についてきたんだよ!」
「ちょっとうるさいですよ!推理の邪魔をしないでください。」
金馬と霧島の話の横で美羽はせっせとご遺体の周りを調べている。
「お前よくこんなもんジロジロ見れんな。」
霧島が幻でも見ているように言った。小学2年生なら叫んでもおかしくなさそうだが、美羽は普通という感じだ。
「私が初めて見た現場よりずっとマシですよ。」
とぼそっと呟いた。すると美羽はスタッと立ち上がりこう言った。
「犯人の未投資はついていますか?」
「いいや、なんせここら辺は人通りが悪いし、防犯カメラも設置されてないからな。だが考えられるのは誰かがここに菜季島さんを誘き寄せて殺害したか、殺害した菜季島さんをここまで運んできたかのどちらかだ。」
すると美羽はご遺体の前で手を合わせて、少し眺めた。
「この制服って青松東川女子校等学校の制服ですよね。」
ご遺体は青のリボンのついた紺色のセーラー服を着ていた。確かに青松東川女子校等学校の者で間違いないようだ。
「ああ、よく知ってるな。確かにその通りだよ。彼女は青松東川女子校等学校の生徒なんだよ。」
しばらく美羽は何考え込むように何も言わずに佇んでいた。すると
「霧島刑事!金馬刑事!」
と言って新人刑事が走ってやってきた。
「新たに殺人が起きました!被害者は青松東川女子校等学校、高校2年生の坂井 流美さん、こちらの事件と同様に首を絞められた後がご遺体から見られたそうです。」
「何だと!」
その後すぐに坂井流美さんが殺された事件現場へと向かった。現場は林が生い茂った森にあり、発見者は登山をしている所坂井さんを見つけ、警察に通報したそうだ。登山用の道があり、その斜面の下あたりに坂井流美さんが倒れていた。
「連続殺人の可能性が出てきたな。」
金馬はご遺体の周りを詳しく調べながら、言った。被害者である坂井 流美さんは長い焦茶色の髪に手足の長い大人びた感じの女の子だった。
「死亡推定時刻は午前10時30分前後、菜季島あかりさんと同様に柔らかい布状の者で首を絞められた形跡がありました。被害者のご両親は今日は部活と言っていたのでまさかこんなところに来ているとは知らなかったそうです。」
新人警察官が言った。
「一度、青松東川女子校等学校に行くことをお勧めします。」
その声を発したのは紛れもなく美羽だった。
「またついて来たのかよ!」
霧島が言った。美羽はそんなことなど気にせず、ご遺体の前で手を合わせてこう言った。
「この事件は連続殺人事件で間違いありません。そして比較的彼女たちと接点のある人物ではないかと考えられます。」
「どういうことだ?」
金馬が美羽に尋ねると、、、
「犯人はおそらく菜季島さんの時は栗山公園に呼び出して殺害を行い、坂井さんの時は一緒にここまで来て殺害したと考えます。」
「いや、ちょっと待てどうやったらそんなことが、、、」
霧島が分かるんだと言おうとした時美羽が言った。
「菜季島さん殺害現場付近には防犯カメラなどはない、人通りの少ない場所です。しかし、そこは青松東川女子校等学校のすぐ近くですよね。」
「ああ、確かにその通りだが、、、」
「なら、犯人が被害者を呼び出すことは簡単です。名前を言えば簡単に分かるんですから。ただ問題はどのような口実で呼び出したのか?凶器は何なのか?犯人は誰なのか?ということですね。まあ、とにかく青松東川女子校等学校に行って二人について詳しく聞きに行くべきです。」
ということで、青松東川女子校等学校へと向かうこととなった。___
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