被害者の接点を調べましょう

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被害者の接点を調べましょう

「菜季島さんも坂井さんもとってもいい子だったんですよ、、、、思いやりもあって、、、明るくて、、、、なのに、、、どうしてこんなことに、、、」 悲しみに満ちた声が一つの部屋に響き渡る。菜季島さん、坂井さんの担任である水谷 絵梨花(みずたに 絵梨花)さんだ。 「事件について何か思い当たることはありますか?」 霧島が同情するように言った。 「どんな些細なことでもいいんです。菜季島さんと坂井さんの間柄とか共通点とか、、、」 「菜季島さんと坂井さんは確か同じ部活に所属していたと思います、、、」 まだどこか弱々しい口調で水谷さんが答えた。 「確か二人とも美術部だったと思いますけど、、、」 「美術部の顧問の先生のお名前分かりますか?」 金馬が聞くと、、、 「錦城乃 麻里亜(にしきの まりあ)先生です。おそらく今は美術室にいらっしゃるかと、、、」 「分かりました。後ほど伺ってみます。」 といい、お礼を言って美術室へと向かった。美羽はしっかりと二人の後を応用に足を進めていると霧島の電話が鳴り、足を止めた。電話に出ると、、、 「ああ、俺だ。どうした?、、、、ああ、、、、はっ!何だって!、、、ああ分かった俺もすぐそっちに行く。」 と言って電話を切った。 「新たに殺人が起きたらしい、、、おそらく菜季島さんと坂井さんの殺人に関係があるかもしれないとのことだ。俺は現場に向かうから、金馬は錦城乃っていう先生に話を聞いておいてくれ、、、」 と言って立ち去ろうとするときに、、、 「私も現場に連れて行ってください。」 と美羽が言った。 「来るなら来い。どうせ止めてもついて来そうだからな。」 と言った。美羽と霧島は金馬をおいて新たな事件現場へと向かった。___ 新たな被害者は青松東川女子校等学校の高校一年生、加里奈 真帆(かりな まほ)さん。黒い髪に陶器のような白い肌が印象的な感じだ。こちらも例の事件と同様に布状のもので首を絞められた後が見つかっていて、現場は栗山公園の近くにある桜川の土手を降りたところで見つかったとのことだ。 「菜季島さんと坂井さんとは学年が違うようだな。」 彼女の制服はリボンが青ではなく黄色で、、、青松東川女子校等学校では学年ごとにリボンの色が違う。一年生は黄色、二年生は青色、三年生は赤色だ。 「あっ!」 突然美羽が大きな声で声を上げた。おかげでまわりの警官からも目が集まるほどだ。 「おい、どうしたいきなり?」 「今すぐ、学校に戻りましょう!」 「は?何でだよ。」 「それは車の中でお話ししますから」と言って金馬の服を引っ張り始めた。霧島は渋々ついていき車に乗って青松東川女子校等学校へと向かった。 「んで?何で学校に戻るんだ?」 「被害者三人と接点がある三年生を見つけるためです。急いで見つけないとまた新たな被害者が出てしまいます!」 「いや、何でお前犯人が三年だってわかんだよ!」 「凶器がわかったんですよ!」と美羽が言って 「この連続事件の凶器それは___です!」と言ったのだ。 金馬の方はというと美術部顧問である錦城乃先生に話を伺ったが、あまり二人が一緒にいたところは見たことはない。と言われてしまった。美術部は少人数で3年生は荒井 紗奈(あらい さな)さんと北野 楓(きたの かえで)さんの二人。2年は被害者の二人と他三人、、、一年生は一人と言った。計八人と言った少ない人数で行っているらしい。 金馬が当てもなくどうしようかと思っていると、、、携帯がなった。霧島からだ。 「おう、霧島どうした?」 『もしもし、金馬さん。美羽ですけど。』 と霧島ではなく美羽の声が聞こえた。 『一年生の加里奈 真帆さんと接点が合う。美術部の先輩を探しといてください。あと、美術部の三年生の作品の写真撮らせてもらっといてください。お願いします!』 とだけ言われて切られてしまった。 「えっ!いや、ちょと待て、、、、」 金馬は大きなため息を漏らした。 「たく、、人使いが荒いなー」 と言って金馬は足を進めた。 それから美羽たちが青松東川女子校等学校につくまであまり時間はかからなかった。 「どうですか?金馬さん見つかりましたか?」 「いや、、美術部の彼女の先輩は居なかった。委員会も違うかったから、多分接点はないと思う。」 美羽が的が外れてような顔をした。 「加里奈さんは演劇部で委員会は図書委員。美術部の3年生はどちらも美化会員だった。」 「作品の写真の方は?」 「ああこっちが荒井紗奈さんので、、、こっちが北野楓さんのだ。」 と言って美羽にそれぞれの絵を見せてくれた。荒井さんのは花の絵や風景などを描いている。北野さんは人物などを描いているが最近は物語の挿絵を描いているのかもしれない。一番最近なのは神秘的な森の中に一人の髪の長い少女が幸せそうに眠っている絵だ。周りには妖精と思われるものがふわふわと浮かぶように描かれていて眠れる森の美女が連想できる。 「なるほどね、、、、でも加里奈さんとの接点が、、、」 と考えるようにうずくまる美羽。しかしすぐに勢いよく起き上がって 「そういうことか!」 と言った。 「金馬さんもう一仕事お願いします。」とにこやかに言った。 それから約1時間___ 「おい、見つかったぞ!加里奈 真帆さんと接点があった人物、、、まさか家が近くで幼馴染だったとはな。」 「そう、、、犯人はやはり北野楓さんです。」____
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