花月くんにとかされる

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 聞かれたって、古池の中に答えはない。心の底から不思議そうにしている花月をみて、そのきょとんとした顔はかわいいけれど、そんなことを言えばもっと燃料を与えてしまいそうだから、自分の延命措置のために秘めておくことにした。  その後、肝心の反省文は五分でかけた。内容はトレーシングペーパーよりもペラペラだったけれど、書いたという結果が重要だったから、その他のことは気にしている余裕がなかった。  いつも一人で歩いている帰り道を、花月と並んで歩く。家の前で別れて「毎朝登校するたび、今日のこと思い出しそう」と独り言のように言ったら、それを聞いていた花月が「それはちょっと、気分良いかも」といってまた、笑った。
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