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女の子は頷いた。「そう、死んじゃった。なんにも悪いことしてないし、怪我した村人を魔術で治してあげたりもしてたのに、魔女だからって理由で死んじゃった」
「あらら」と凛は小さく笑ったが、笑うべきじゃなかった、とすぐに反省した。「さっきのケイティは、元気だよね」と、取り繕うように訊いてみる。
女の子は首を横に振った。「死んじゃった。戦争で」
「寂しがってるんじゃなかったの?」
「死んでもさみしいんだって」
あらら。
ドレスを着た人形が目に入った。ボリュームたっぷりのピンクのドレスで、フランスの貴族のようだ。幸せそうに見える。
「この子の名前は?」
「メアリー」
「かわいいね。この子はお姫様?」
「うん。ギロチンで死んじゃったけど」
「この子も死んじゃったの?」
「そう。みんしゅーに嫌われたんだって」
あらら。
その子は?
ジンジャー。
死んじゃってる?
死んでる。
なんで死んだの?
生まれた時代が早すぎたから。
あの子は?
エラ。
なんで死んだの?
毒のお魚を食べたんだって。
この子は?
メグ。
なんで死んだの?
ギターで感電。
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