3 強烈で不可思議な共感

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「大丈夫。私もそうだから」と凛はいった。「私だって、寂しくなる時はしょっちゅうある。ここにいるお人形も、きっとみんな、みんな寂しいから。だから、寂しくないよ」  女の子は涙を拭うことなく、ただ静かに頷いた。 「でもね」女の子は口を開いた。「お父さんがいるときは、寂しくなかった」 「お父さん?」 「お父さんがいなくなっちゃった。お父さんがいなくなっちゃってから、わたしはずっと、ずっと寂しい」  そういえばこの子に初めて会った時もお父さんのこといってたな、と凛は思い出した。 「お父さんがいなくなってからなの。それからわたしも、ここにいるお人形も、みんな寂しくなっちゃった」 「そっか」かける言葉が見つからない。お父さんは死んでしまったのだろうか。もしくは、離れたところに住んでいるのか。「お父さんは、どんな人?」 「あったかかった。お人形の名前も全部覚えてたし、わたしのこと、いつも見ててくれた」 「いいお父さんなんだね」凛はいった。  女の子は頷いた。そして、「お父さんのお部屋にいく?」 「お父さんの? 入っていいの?」 「うん」と女の子は涙を拭いて、凛の手を引き部屋を出た。
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