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「エリーみたいに?」
「そう、エリーみたいに。ケイティやジンジャーやエイミー、かわいそうなピザみたいに、ぼくはりおのすぐそばにいて、りおを見つめてる。りおが寂しい日も、楽しい日も、部屋にいる時も公園にいる時も、お母さんとダイナーにいる時も、どんな時だって僕はそばにいるんだ」
「でも、エリーもメアリーもエラも、みんな死んじゃった」
「だからどうだっていうんだ?」凛――りおの父親――はおどけたような表情を浮かべてみせた。
「だって、だって……死んじゃったら寂しい」
「たしかに、寂しい。手をつないで歩くこともできないし、りおが怖い夢を見た時、一緒に横で眠ることもできない」
りおは黙った。また、大人のような顔に戻ってしまいそうだった。
「でもね、りお」と凛はりおの背の高さに合わせて屈み、りおの目を優しく覗いた。「心が離れてしまうことはないんだよ。お父さんはいつも、りおのすぐそばにいる」
「本当?」
「そうさ」と、りおを強く抱きしめた。
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