2 おめめ

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 女の子についていくまま店を出て、二人はダイナーの裏手にある家の前に立った。玄関を抜けた後も女の子はぐいぐい凛を引っ張っていき、二階の部屋のドアのところで、ようやく手を離した。  子供部屋だった。扉を開けると、そこには異様な空間が広がっていた。  棚には人形がずらりと並び、目玉のない人形もちらほら。足元には開いたままの絵本や人形の目玉、おままごと用の包丁にニセモノのりんご、羽を片方失った空飛ぶ妖精のおもちゃ、先っぽの折れた魔法の杖、衣類などが散乱していた。 「この子がケイティ」女の子は、棚にある片目のない人形を指さした。
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