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ケイティは原色の派手なワンピースを着ていた。六十年代のヒッピーみたいな少女。首から、ピースマークのネックレスを下げている。たしかに女の子のいう通り、凛の目にもケイティがちょっぴり寂しそうに見えるから不思議だ。
「ケイティの好きなものはなに?」
「ロックのレコード」女の子はいった。
レコードなんて、こんな年齢の子が知ってるのかな。母親の影響だろうか。
「寂しくないように、音楽を聴かせてあげればいいんじゃない?」
「うちにレコード、ない」
「わたしのスマホでもいいよ」
「音楽かけてくれるの?」
「簡単だよ」と凛はスマホを操作し、それっぽいロックの音楽を流してみた。曲が終わったら、早くこの部屋から出よう。「喜んでるかな?」
「ちっとも喜んでない」と女の子。「そんなの、ロックじゃないって」
あ、そう、と凛は音楽を消した。
「この子はエイミー」女の子は黒ずくめの人形を手に取った。「魔術が得意」
「へえ、魔女なんだ」
「そう。魔女狩りで、火あぶりにされて死んじゃったの」
「死んじゃったの?」
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