余命7日間の恋人

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『誰かが、何百万もの星のどこかに咲いている、たった一輪の花が好きだったら、その人は、そのたくさんの星を眺めるだけで、幸せになれるんだ』 (サン=テグジュペリ『星の王子さま』)  最近、ふとした時に、子どもの頃大好きだった本――『星の王子さま』のこの一節が頭を過る。  この地球には、何百億という人間が犇めき合って住んでいるのに、私は三十年近くも誰かに恋することなく生きてきた。  ようやく、たった一人の人を好きになれたというのに、その人の余命は7日間だ。  そして、そのことを本人は知らない。
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