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1章 夫の粘着
夫、水沼智則と、私(沙絵)が別居してから1年が経ちました。
今までと全く違う生活に最初は、戸惑いとかもありました。
仕事は私がずっと興味があったアパレルのお仕事に就きました。
転職活動を一人でするのも大変で…何が大変って、私の主人が主人だから、なかなか雇ってくれるお店がなかったからです 汗。
だけど、なんとか私を雇ってくれるお店を見つけて仕事をはじめました。
1年も経てば仕事にも生活にも慣れて、龍彦とも食事に行ったり遊びに行ったり…関係は順調です。
「毎日、服を売るのってすごい大変…毎月ノルマもあるし~」
「沙絵ちゃん、毎月ノルマ達成しているんでしょ?すごいじゃん」
たまに休みがあった今日は2人でイタリアンにきています。
ピザとパスタ、ワインを飲みながらお喋りするのが楽しい。
「なんとか毎月ギリギリよ…ノルマいかないとお給料が減っちゃうからね 汗」
「たしかにな。俺の方は相変わらずさ。ジャッカルにいた時より給料落ちたけど…自由に仕事させてもらってる」
龍彦は自分のキャリアから、フリーで調査系とSEの仕事をしているようです。
やっぱりジャッカル(智則さんの会社)を辞めたことが影響していたのか、少し入れる会社を探すのに苦労はしたみたい。
「へぇーそうなんだ。智則さんと仕事するのずっと大変だったみたいだしね」
「本来の俺の仕事じゃなかったからな…長いこと事務仕事なんかさせやがって 笑」
智則さんへの不満を笑い飛ばしながら、ワインを口に注ぎ込む。
飲み方は相変わらずで、お酒はとても強い龍彦。
「そういえは、社長…いや、水沼さんの粘着、まだあるの?」
智則さんの粘着のことを聞かれ、食事の手が止まる。
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