ホワイトアウト

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 横殴りの雪に視界が奪われ、今、自分がどこにいるのかわからない。  ダウンジャケットのフードを深くかぶっても、露出している顔に、寒風と雪が当たってビリビリと痺れるように痛い。  一寸先は闇のこの状況…むしろ今は一寸先は白く、ホワイトアウト。そんな状況を俺は途方もなく歩いている。  風よけになる小屋があれば…  この暴風雪をしのぐことができれば、どんなにボロくてもいい…  突風に(あお)られ、ザクザクの雪に足をとられ、一歩一歩を踏ん張りながら進む。革靴の隙間から雪が入り込み、体温を奪いながら溶けていく。    小屋も見つからず、誰にも見つけてもらえなかったら…  このまま凍死?    そんな考えが頭をよぎり、全身から血の気が引く。不安と寒さのせいで、体が小刻みにブルブルと震えて、顎はガチガチと音をたてた。  濡れた足も、じんじんと冷えて痛みだす。    
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