26人が本棚に入れています
本棚に追加
横殴りの雪に視界が奪われ、今、自分がどこにいるのかわからない。
ダウンジャケットのフードを深くかぶっても、露出している顔に、寒風と雪が当たってビリビリと痺れるように痛い。
一寸先は闇のこの状況…むしろ今は一寸先は白く、ホワイトアウト。そんな状況を俺は途方もなく歩いている。
風よけになる小屋があれば…
この暴風雪をしのぐことができれば、どんなにボロくてもいい…
突風に煽られ、ザクザクの雪に足をとられ、一歩一歩を踏ん張りながら進む。革靴の隙間から雪が入り込み、体温を奪いながら溶けていく。
小屋も見つからず、誰にも見つけてもらえなかったら…
このまま凍死?
そんな考えが頭をよぎり、全身から血の気が引く。不安と寒さのせいで、体が小刻みにブルブルと震えて、顎はガチガチと音をたてた。
濡れた足も、じんじんと冷えて痛みだす。
最初のコメントを投稿しよう!