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「百合とヤったのは、陽向ちゃんへの嫌がらせをしているからなんだ。ポスト気づかれてないと思っているみたいだけどバレてるよ。近々呼び出しの手紙を入れようとしてたって百合が吐いた。冷たくしてたのは、誰かがずっと俺達を監視してたから。さっきも保健室入るまで見られてた。これも百合の仕業かと思ってたけど、違うって分かった。あいつヤってる間は何でも話すんだよ。昔付き合ってたのも守りたい人がいたから。じゃなきゃ、あんな女お断りだね」
「頭が働かないんですけど……」
「俺とのキス、そんなによかった? もう1回しよっか」
蓮が顔を近づけてきたから、手で口を隠した。
嫌がらせの話が出て、少しだけ冷静になれた。
自分のことはどうでもいい。
でも、真奈美のことは別だ。
ここまで分かっているのなら、答えを知っているかもしれない。
「違います。ポストは東野先輩だとして、真奈美の方は分かっているんですか?」
「晃のファンクラブ会長が主犯。陽向ちゃんも知ってる人だと思うけど、誰か知りたい?」
「知りたいです」
「キスしてくれたら教えてあげる」
「じゃあ、教えてくれなくていいです。手紙もその人なんですか?」
「減るもんじゃないのに……。手紙は別だと思う。晃に聞くと、真奈美ちゃんの方も監視されてるらしいから。きっと赤と白の手紙は同一犯だろうね」
同一犯?
そんなはずはないと思ってしまう。
真奈美は、確かに光輝とも仲が良かった。
でも、入れられていた写真と真奈美は関係がない。
ピースが足りないのか、考え方が間違っているのか分からないが、何かがおかしい気がするということだけは理解した。
「陽向ちゃんが考えていることを教えてほしいんだ。それと手紙、全部出してほしい」
「手紙は、梨本先輩が開けた2通だけです。それに、どうしてあたしと真奈美を監視する必要があるのか、考えてただけですよ」
「俺さっき、頼ってもらえなくて悔しいって言ったよね。今もスゴい悔しいよ。なんで嘘つくの?」
「嘘なんてついてません。そう思うなら、体でもカバンでも調べたらいいじゃないですか」
「言ったね。後悔しても遅いよ」
ニヤッと口角を上げた蓮に抱きしめられたまま、ベットに倒れられた。
一緒に寝転がった蓮は、楽しそうに瞳を緩ませている。
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