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真白ちゃんは俺のことをどう思っているんだろう--それに俺は……彼女をどう思ってるのかな?
二人でいることは嫌がっていないように見える。家に来た時は寛いでいたけど、それは俺を男として見ていないということだろうか?
それにもし俺を意識していたら、男の家にノコノコとやってくるかな? これはやっぱり男として見ていないのかもしれない。
考えれば考えるほど、俺は自分が思っている以上に彼女を可愛いと思っていることに気がついた。
そっか……俺って結構真白ちゃんを意識していたんだなぁ。自分の知らない一面を知って、思わず両手をポンッと叩いた。
その時にスマホが鳴り、真白ちゃんからのメッセージに胸が躍る。
『先輩、バレンタインの日ってバイト入ってますか?』
バレンタイン--! その日に予定が入ることなんて今までなかったから、いつも通りバイトのシフトを入れていた。
『ごめーん! バイトだー!』
『じゃあバイトが終わるまで待っててもいいですか?』
な、なんだって⁈ バイトが終わるのは早くても夜の十時。そんな時間まで待たせるなんて出来るわけがない。
『女の子が遅い時間に出歩くのは危ないし、バイトのシフトが変えられるか聞いてみるから!』
『わかりました〜』
この最後の伸ばす感じ、真白ちゃんって感じがしてホッとするんだ。
バレンタイン--いったい何をくれるんだろう。いやいや、何を期待しているんだ俺! そんなの義理の可能性だってあるんだ。
なんとか自分に言い聞かせるけど、やっぱりバレンタインの魔法だ。今まで一度もバレンタインに呼び出されたことなんてない俺からすれば、何かをもらえるだけで胸がキュンとなって、頬の筋肉が綻んでしまった。
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