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「あ、来た! おはよう、二人とも」
登校班の集合時間ギリギリ、三年生の陽介と副班長の湊人がやってきた。
登校班なんてめんどくせーって言わんばかりの陽介と、後ろからしっかりとついて歩く湊人。
まったく、陽介は相変わらず湊人が迎えに行かないと間に合わない。
寒い中、待っているのもつらいんだからね。
お隣のお家に住んでいるあやちゃんと二人、なんとか寒さを紛らわして待っていた。
「はい。じゃあ並んで。行くよー」
少しでも早く学校に着きたい。
だけど、私の歩幅とあやちゃんの歩幅じゃあ全然違うから。
あやちゃんの様子を見ながら、前へと足を進めていく。
そんなあやちゃんの後ろを歩く陽介も、春には色んなイタズラをして困らせていたけど、最近は随分と大人しくなってきた。
まぁ、イタズラのたびに後ろの湊人に怒られるしね。
ちょっとは懲りたってことかな?
一番後ろを歩く湊人は、副班長だけど班長の私よりしっかりしてる。
陽介のことも、あやちゃんのことも、よく見てる。
後ろで湊人がフォローしてくれているから、私は安心して前を歩ける。
……本人には絶対言わないけどね。
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