わらいあう

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わらいあう

♡♡♡  最近すごく、心が軽い。  無理なく自然に、笑えている気がする。  それは、日向のおかげだ。  日向の作る料理は、いつも疲れた体を温かくしてくれる。  だから日向に、お礼がしたい。  そんな時だ。  日向の誕生日がもうすぐだということを思い出したのは。  まだ寒い2月の街を歩く。  いろんなお店を見るけれど、なかなかプレゼントは決まらない。  なんとか日向が好きそうな店を見つけるけど、何を買おうか迷ってしまう。  そんな私の目に、色とりどりのハンカチのコーナーが止まった。  日向の好きなオレンジ色もある。  私は思わずオレンジ色のハンカチに手を伸ばしていた。 「あっ」  ふいに、私が手を伸ばしたオレンジ色のハンカチの隣にあったピンク色のハンカチを撮ろうとした手と私の手が触れた。 「「すみません…」」  二人同時に、謝った。  どこか聞き慣れた声に、思わずピンク色のハンカチを取ろうとした人の顔を見る。  そこには、見慣れた男の子がいた。 「…日向…⁈」 「え……春香⁈」  日向は顔をあげると驚いたように言った。  どうやら私たちは、同じ店でプレゼントを買いに来ていたようだ。  それぞれのために買ったハンカチが入った袋を持ちながら、二人で帰り道を歩く。  ふと、日向が言った。 「俺、飲食店開きたいんだ」  え、と声が漏れる。 「ごめん、急に。でも、夢ができたんだ。春香に美味しいって言ってもらえるのが嬉しくて。だから俺、下積み時代は飲食店でバイトしようと思って」  私は思わず首を振る。 「全然!応援するよ!」  私は嬉しくなっていった。 「がんばって!日向!」  日向の表情が緩む。 「ありがとう、春香」 「そういえば、俺たちって恋人じゃないよな?」  日向の一言に、思わず声をあげそうになった。 「な、何言ってんの⁈」 「いやー、春香って俺のこと好きなのかな〜…って」  頬に熱が宿るのがわかった。  今私の顔は真っ赤になっているだろう。 「で?好きなの?好きじゃないの?」 「す、す、す、す…」  私は思いきっって言った。 「好き……⁈」  言い終わった瞬間、私の唇に何か柔らかいものが触れた。  それが、日向の唇だと気づいた時。  私の顔はもうりんごより真っ赤になっていただろう。 「かわいいなぁ、春香は」  そう言って、走り出した。 「え⁈ちょっと待ってよ〜!」  私も慌て追いかける。 「やーい、春香のノロマ!」 「な、なんですどぉ〜⁈」  私と日向は笑い合いながら追いかけっこをした。  二人で見た夕焼けは、優しく輝いていた。
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