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「のんちゃん、ご飯食べよ。くうちゃん起きると良いんだけど」
そう言いながら、お母さんは鍋焼きうどんを作ってくれた。
「疲れた時はこれが1番よ。ツルツルとのど越しが良いから食べやすいのよ。唐揚げも冷や奴も残ってるから食べよう。くうちゃん。ご飯ですよ」
お母さんがすやすや眠っている胡桃を、優しくあやす様に起こしている。
「ええ子やねえ、くうちゃんは、忙しい時ずっと、寝ててくれてたもんね」
「はい。助かりました。お客さまが次々に来て下さったから、胡桃が起きて泣いたらどうしようかと、半分ビクビクしていましたから、本当に寝ていてくれて助かりました」
「きっと疲れたんやね。確かハンバーグ食べたいって言ってたよね」
「はい!」
「この近くにハンバーグの美味しい店があるのよ。そこへ行こうか」
「でも…」
「でももクソもないわ。うちは11時で締めるけど、ここらはまだまだ、遅くまでやってるとこの方が多いから、大丈夫よ」
「くうちゃん。起っきしましょ」
のぞみが、小さな体を優しく揺すると、ふあふあした顔で目を開けた。
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